このような破壊できるタイルを狭める妨害はどれだけ効果があるのだろうか。
相手の破壊タイルは減っているのものの、自分の防御タイルも減っている。実はそれほど強い手ではないかもしれない。破壊確率の変化を考えてみる。
本記事はこの記事の続きの考察になる。
①草原を向ける妨害
まずは破壊タイル、防御タイルを列挙する。
※前回同様、単純化のためすべてのタイルが残っているとして考える。
破壊タイルの変化
40枚
↓
17枚
防御タイルの変化(完成タイルである右折を含む)
29枚
↓
13枚
- 破壊タイルを引く確率は40/71→17/71
- 防御タイルを引く確率は29/71→13/71
となっている。
破壊タイルを修道院などの強タイルに限定している時点で強いのだが、本当に破壊確率が下がっているかを計算してみよう。
今回は確率が常に不変であると単純化して考える。本来は残タイルに応じて分母を変えたり、破壊タイルと共通する防御タイルが引かれたときに場合分けをしたりしないといけないが、複雑になるので考慮しない。状況に関わらず大体の確率を知りたいという趣旨の試みなので、たかだか数%の誤差は気にしないようにしよう。
もともとの破壊確率は、
40/71 直後に相手が破壊タイルを引く
+31/71 *42/71 *40/71 相手も自分も破壊/防御タイルを引けず、次に相手が破壊タイルを引く
+(31/71 *42/71)^2 *40/71
+(31/71 *42/71)^3 *40/71
...
≒ 76%
※前回の計算結果と異なるのは、今回は防御側視点での計算であり、破壊側が先にタイルを引くとして計算したから。
妨害後の破壊確率を同様に計算すると、63%となる。
つまり、破壊確率が76%→63%まで落ちたことになる。
破壊タイルと同様に防御タイルも半分以下になったのに何故破壊確率が下がるのか。それはタイル数が減ったことにより、相手が先にタイルを引くという手番の不利の効果が薄まったからだと考えられる。
例えば1枚しかない四辺都市を先に相手が引く確率はほぼ50%であり、どちらが先にタイルを引くかなんてあまり影響しない。対して、もし残タイルがすべて修道院だったとして、相手が先に修道院を引く確率は100%だ。目的の確率が小さくなるほど手番順による影響が小さくなるということである。
なお、更なる妨害によって防御タイルを引けなくてもほぼ防御する形に持っていける展開もある。
つまり、破壊確率は更に下がるだろう。複雑なので今回は考慮しない。
②道を向ける妨害
破壊タイルの変化
40枚
↓
14枚
防御タイルの変化
29枚
↓
16枚
破壊確率は76%→51%
③都市を向ける妨害
破壊タイルの変化
40枚
↓
16枚
防御タイルの変化
29枚
↓
6枚
破壊確率76%→約75%
都市を向ける妨害はほとんど意味がない。更に道を刺して固定してようやく価値がある。どうせ後で道を刺すならここで都市を浪費するのはただの手損。
……と一見思えるが、話はもう少し複雑だ。破壊を少しでも遅らせることで上からの道刺しが間に合い、トータルで見て破壊確率を減らせるからだ。それ込みの計算は複雑すぎて今回はしない。
都市を向けても殆ど変わらないのは確かなので、基本的には他所に使うのが良いだろうと思う。
総じて色々といい加減な計算ではあるが、おそらく論理自体は合っていて計算結果も数%以上のズレはないだろうから良しとした。
元気があれば厳密さを追い求めたいが、それはコンピュータの領分な気もする。