極稀に初手でこんな手を打つ人がいる。
4点よりも相手に都市を残さないことを重視した手だ。
あまりに消極的な気がするが、実際フリーリップを残さないのはどれくらい大事なのか考察してみる。
前提
- 都市は1枚2点の価値があるとする。(完成前提。厳密には2点より少し小さい。)
- 相手が先に都市を引く確率は約70%である。(以前の記事で計算した。)
計算
- 相手が先に都市を引く場合:2点×0.7 =1.4点の損
- 自分が先に都市を引く場合:2点×0.3 =0.6点の得
差し引き0.8点の損である。
つまり、
①フリーリップを予約するか(※2点)
②4点取って-0.8点の期待値を背負うか(3.2点)
であり、4点取る方が強いという結論になる。
※フリーリップ予約の2点は②の期待値に含められているので無視していい。
今回ごまかしたのは、都市を引かなかったら先に道を予約できたり修道院を引けているはずなので、都市に関する期待値だけで考えるのは雑ではないかという部分である。本来は全タイル込みの得点期待値を比較検討しないといけないと思うが、そんなに大きく期待値が変わることもないだろうから今回は無視する。
追記:よく考えると、違いはどちらの都市にミープルを置いたかでしかなく地形自体に差はないため、道も修道院も期待値は変わらない。厳密に言えばフリーリップがなくなったことで妨害が起きたりなどで展開が変わって期待値は変化していくが、かなり細かな変化なので無視していいと思う。
フリーリップを残したときに損する期待値が0.8点しかないというのは大事な知見だ。例えば、終盤だと都市予約より草原に寝るほうが強いという経験則の裏付けとなる。残タイルによって期待値は変わってくるし、フリーリップがなくてもリップ一枚2点の価値があるという前提は終盤では通用しなそうではあるが。
スタートタイルを先にどちらが予約できるか、というあまり意味のなさそうな計算をしたのがここで役立ってよかった。今回の考察もまた別の考察に活きるかもしれないのでその時を楽しみにしておく。